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スタッドレスタイヤの寿命は短い?交換時期の目安や長持ちさせる方法とは

降雪地域では必要不可欠なスタッドレスタイヤですが、ノーマルタイヤ同様に寿命や耐用年数があります。この寿命を無視して雪道や凍結した路面を走行すると、大きな事故につながってしまう恐れもあり、大変危険です。
こちらでは、スタッドレスタイヤの寿命の見分け方や長持ちさせるコツなどについて、詳しく解説していきます。

スタッドレスタイヤについて

スタッドレスタイヤとは、雪道や凍結した路面でも安全に走行できるように開発されたスノータイヤの一種で、低温でも硬化することなく、柔軟性を保つことができる柔らかいゴムでできています。これにより、雪道や凍結した路面との接地面積が広くなり、タイヤに制限が加わっても十分な摩擦が起こることで滑りにくくなるため、雪道などの不安定な路面環境でも安全に走行することができます。

ノーマルタイヤとの違い

ノーマルタイヤは、高温になった路面でも問題なく走行できるよう、スタッドレスタイヤよりも硬いゴムでできているため、雪道や凍結した路面での走行に適していません。一方、スタッドレスタイヤは柔らかいゴムでできており、タイヤ全体に「サイプ」と呼ばれる細かく深い溝が入っているのが特徴です。これにより、雪道や凍結した路面との接地面積を増やすことが可能となり、不安定な路面環境でも高いグリップ力を発揮することができるのです。しかし、スタッドレスタイヤの柔らかいゴムは、乾いた路面や雨で濡れている路面、高温になった路面などには適しておらず、ノーマルタイヤと比べると耐久性が劣ってしまうため、ノーマルタイヤよりも早めの交換が必要になります。

ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに交換する時期

ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに交換する適切な時期の目安は、雪が降り始める1ヶ月前です。雪が降り始める時期は地域によって異なりますが、雪が多く降る地域では特に早めに交換しておく必要があるため、北海道は10月上旬、東北地方は10月下旬あたりに交換しておくようにしましょう。雪の予報が出てからや雪が降り始めてからの準備となると、交換を依頼する人で業者が混み合ってしまったり、タイヤ交換がより困難になってしまいます。過去の気象データなどを参考にして雪が降り始める1か月前、遅くても2週間前には交換するようにしましょう。

スタッドレスタイヤの寿命・交換時期の目安

タイヤは古くなり劣化してしまうとひび割れなどが起こり、バーストと呼ばれる破裂現象を起こしてしまうこともあるため、適切な時期に交換しなくてはなりません。スタッドレスタイヤの寿命はいつなのかや、交換すべき時期の見分け方をご紹介します。

製造年月から約4年

タイヤメーカーの多くは、製造年月から4年をスタッドレスタイヤの寿命としています。この4年は、スタッドレスタイヤを使用し始めてから4年ではなく、スタッドレスタイヤの製造年月から4年になります。ゴム製品であるスタッドレスタイヤは、未使用であっても経年劣化によってひび割れなどが起こるため、使用開始からではなく製造年月から数えるのです。タイヤの製造年月は、タイヤの側面に記載されている4桁の数字で確認することができます。例えば、「0721」の記載があるタイヤは2021年の7週目、つまり2月に製造されたということになります。製造されてから4年近く経っているタイヤは、できるだけ早めに交換するようにしましょう。
ただし、普通の雪道でなく、凍結した路面や雪が積もった山道などの厳しい条件下で走行することが多い場合や、格安のスタッドレスタイヤを購入した場合などは、2年を目安に交換することをおすすめします。スタッドレスタイヤを購入する場合は、製造年月日が新しいものを選ぶようにしましょう。

スリップサインとプラットフォーム

タイヤの溝の深さが1.6mmになるとスリップサインが現れます。このスリップサインが1箇所でも現れたタイヤで走行すると危険なだけでなく、制動装置等の整備不良として2点の加点と6,000~12,000円の反則金が科せられることが、道路運送車両法によって定められています。
また、スタッドレスタイヤの場合はスリップサインとは別に、プラットフォームというサインでも交換時期を見分けることができます。このプラットフォームは、スタッドレスタイヤの側面の4つの矢印マークの延長線上にある一段盛り上がっている部分のことで、タイヤの溝が新品の状態から50%摩耗すると露出するようになっています。プラットフォームが目視で確認しにくい場合は、100円玉に印字されている1の数字をタイヤの溝に差し込んで確認することができます。新品のタイヤの場合、1の数字は溝に隠れるため見えなくなりますが、プラットフォームが露出したタイヤは、溝がすり減っているため1の数字が見えるようになるのです。プラットフォームが露出したスタッドレスタイヤはブレーキ機能が低下し、雪道や凍結した路面でスリップする危険性が高まるため、すぐに交換するようにしましょう。

ゴムの硬度

スタッドレスタイヤは柔らかいゴムを使用しており、ノーマルタイヤよりも硬化しやすいため、スリップサインやプラットフォームが現れていなくても、硬化の度合いによっては交換が必要な場合もあります。タイヤの硬度は整備工場やタイヤ販売店、ガソリンスタンドなどにあるゴム硬度計で測定することができます。メーカーにもよりますが、タイヤのゴムの硬度は新品の状態で「45」以下となっていることが多く、硬度が「60」を超えるとグリップ力が弱まると言われています。グリップ力が弱まったスタッドレスタイヤは、雪道や凍結した路面との接地面積が小さくなることで滑りやすくなるため、交換するようにしましょう。ただし、この硬度になったら交換しなければならないという明確な決まりがあるわけではないため、整備工場やタイヤ販売店、ガソリンスタンドなどに交換時期を相談してみてもいいかと思います。

亀裂やひび割れがある

経年劣化によってタイヤが硬化すると、亀裂やひび割れが起こりやすくなります。タイヤの亀裂やひび割れなどの損傷はパンクの原因となるため、すぐに交換するようにしましょう。特に冬は雪がかかってしまうため、タイヤの状態が見えにくくなり危険です。日常的にタイヤの状態を確認しておくようにしましょう。

走行距離

ノーマルタイヤの交換時期の目安が走行距離30,000~50,000kmであるのに対し、スタッドレスタイヤの交換時期の目安は10,000~15,000kmとなっています。これは、1ヶ月間の走行距離が1,000km、スタッドレスタイヤを装着して走行する期間が11~4月の6ヶ月間であると想定し、3年で15,000kmに到達するという計算です。ただし、通勤などで毎日車を使用する方は走行距離を目安に考えると、製造年月から4年よりも早めの交換が必要になることもあります。

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スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法

ノーマルタイヤよりも寿命が短いスタッドレスタイヤですが、長持ちさせるためにはどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。

車に負担のかかる運転を控える

急ブレーキや急発進、急ハンドルなどの車に負担がかかる荒い運転は、普段の運転以上の摩擦力がタイヤにかかってしまうため、タイヤの摩耗を早める原因となってしまいます。また、これらの運転は他の車との衝突につながる恐れもあり、大変危険です。タイヤを長持ちさせるためにも、ゆとりを持った安全運転を心がけましょう。

保管方法に気を付ける

タイヤは使用していない間にも劣化が進んでいくため、正しい方法で保管することが重要です。タイヤは保管する前にまず、水洗いをして余計な油分や汚れなどを落とします。このとき、洗剤を使用するとタイヤの劣化防止剤も一緒に洗い流してしまう可能性があるため、必ず水洗いするようにしましょう。また、タイヤは紫外線や湿気、熱、化学物質などに弱いため、タイヤカバーを使用したり、下記のような場所で保管することをおすすめします。

スタッドレスタイヤの保管に適した場所
直射日光が当たらない場所
高温にならない場所
雨が当たらない場所
適度に風通しがある場所

こういった場所での保管が難しい場合は、カー用品店やガソリンスタンドなどのタイヤ保管サービスを利用するのも一つの方法です。タイヤ保管サービスを利用すると、月額1,000~2,000円程度で使用していないタイヤを預けておくことができます。

夏に使用しない

夏でもスタッドレスタイヤを使用することはできますが、寿命を縮める原因となってしまいます。スタッドレスタイヤは雪道や凍結した路面を走行することを想定して設計されているため、ノーマルタイヤよりも柔らかいゴムを使用しています。そのため、乾いた路面や高温になった路面を走行するとタイヤが柔らかくなりすぎて歪んだり、摩擦が大きくなってゴムが溶けやすくなるため、通常よりも速いスピードで摩耗が進んでしまうのです。スタッドレスタイヤは適切な時期に使用し、冬が終わったらノーマルタイヤに交換するようにしましょう。

空気圧を適切に保つ

タイヤは車種ごとに車両指定空気圧と呼ばれる適正な空気圧の値が決まっており、運転席のドア付近に貼られているラベルか、車両の取扱説明書に記載されています。この空気圧は、低すぎても高すぎてもタイヤの損傷や偏摩耗の原因となり寿命を縮めてしまうため、適切な値に保つことが重要です。ガソリンスタンドやディーラー、カー用品店では無料でタイヤの空気圧の点検や整備を行ってくれることがほとんどなので、定期的に利用し、適正な空気圧を保つようにしましょう。

タイヤをローテーションさせる

タイヤはローテーションして使用することで、長持ちさせることができます。ローテーションする時期の目安は、走行距離5,000km程度です。タイヤの状態は運転の仕方によっても変わってくるため、ローテーションをする際は、それぞれのタイヤの摩耗状況をよく確認するようにしましょう。中には、スタッドレスタイヤの効果を効率よく発揮させるために、回転方向を指定しているものもあります。その場合は、タイヤの側面に回転方向を指示する矢印が記載されているため、矢印の方向に逆らわないように注意しましょう。

まとめ

スタッドレスタイヤは柔らかいゴムの特性により、ノーマルタイヤよりも寿命が短い傾向にあります。スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法を意識し、使用していない間の保管にも気を配るようにしましょう。寿命が過ぎ、きちんと機能しないスタッドレスタイヤで雪道や凍結した路面を走行することは大変危険なため、タイヤの状態を定期的に確認し、適切な時期に交換するようにしましょう。

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