春になると、いつもより車の表面がザラザラしたり薄っすら黄色っぽくなったりするのを感じる方が多いかと思います。原因となるのは、大量に飛散するスギ・ヒノキ花粉や中国大陸から飛来する黄砂。ただ拭き取るだけで済ませてしまうと、車に傷だらけになってしまったりと思わぬ悪影響が・・・ 花粉や黄砂が車に付着している時の洗車方法や注意点などを見ていきたいと思います。
目次
花粉や黄砂付着時の洗車方法
まず絶対にしてはいけないのが、そのままいきなり拭いたり、コーティング剤を塗ったりすることです。いきなり拭くともちろん傷になりますし、コーティング剤を塗るだけだと、花粉や黄砂を車に塗りこんでいるようなものです。また、花粉は雨に濡れると塗装に浸食しシミになりますし、黄砂の場合も、雨に濡れてしまうと粘土状となり簡単には落とせないシミになってしまいます。大事な車に傷やシミをつけてしまわないよう、洗車の手順や、道具の選び方、注意点についてご説明したいと思います。
洗車に大事な3つの道具の選び方
洗車道具はどういうものをお使いでしょうか?洗車道具を適当に選んでしまうと汚れが落ちなかったり、逆に傷がついてしまうこともあります。洗車においては道具の選び方も重要なポイントとなります。
1.シャンプー
シャンプーには、中性洗剤とアルカリ性の洗剤があります。中性洗剤は普段の洗車向きです。塗装やコーティングに影響が少ないですが、油汚れや虫などがこびりついたものなどの、しつこい汚れには向いていません。アルカリ性洗剤は、中性洗剤では落とせない油汚れや虫のこびりつきを落とすことができます。排気ガスの汚れや足回りなどに使うのがよいとされています。
2.スポンジ
洗浄の際のスポンジは、柔らかく大きいものを2つ使いわけると良いそうです。柔らかいほうが傷はつきにくいですし、汚れの多い足回りなどの部分を拭いた後にボディーを拭いてしまうと、傷がつく可能性がありますので、洗車箇所によって2つのスポンジを分けて使いよりきれいにしていきましょう!
3.マイクロファイバークロス
最後は車を拭き上げる時のタオルですが、洗車で使用する際、家庭で使うようなタオルは繊維が硬いため、車を傷つけてしまうことになります。タオルではなく、洗車用のマイクロファイバークロスを使うようにしてください。また、マイクロファイバークロスも拭く場所によって何枚か使い分けると、傷がつきにくくより綺麗に拭き上げる事ができます。おおよそ3、4枚あると便利かもしれませんね。
車に傷をつけない洗車の手順
では次に、洗車の手順について確認してみましょう。まず、洗車に適しているのは曇りの日です。なぜかというと、日差しがきつい日は洗車時に車につく水滴がレンズの働きをして光を集め、塗装面が焼き付くといったことが起こってしまうようです。洗車をする時は晴れの日ではなく曇りの日を選びましょう。
車に傷をつけない洗車の手順
- 普段より濃い目のシャンプーをバケツに入れ、ホースの水でたっぷりと泡立てる
- 足回りの汚れをホースの水で洗い流す(足回りは砂や泥などが一番汚れがたまっているのでしっかりと)
- 足回りを泡で洗浄、洗い流す(洗剤が乾かないうちに洗い流す)
- ボディについた花粉や黄砂、ホコリなどを水で流す(ルーフから下へとたっぷりの水で)
- 上面(ボンネット、窓、ルーフ、トランク)を泡で洗浄、水で流す(傷がつくので、足回りの洗浄に使ったスポンジは使わない)
- 側面(サイド、バンパー)を泡で洗浄、水で流す
- マイクロファイバークロスで水滴を優しく拭き取る(マイクロファイバークロスもボディ用、足回り用など使い分けて)
このような流れで洗車すると花粉や黄砂が付着している場合でも、きれいに傷つくことなく洗車することができます。
また、洗車の一番最初に足回りを洗うのは、基本的にタイヤやホイールの汚れはひどいためボディーを先に洗ってしまうと、後で足回りを洗っている際に汚れが飛んでボディーについてしまうからです。最初に足回りを洗うのは鉄則だと思っておくのがよいでしょう。
洗車時に気をつけるべき注意点
ボディについた花粉や黄砂などを水で洗い流す時は、できれば高圧洗浄で流すのが良いそうです。また、高圧洗浄は、至近距離ですると傷がついてしまいますので、少し車から離れて流すほうがきれいに花粉や黄砂が落ちます。最後の拭き取りは、水滴が少しでも残ってしまうと水道水に含まれるミネラル分が白いシミになってしまいます。水滴が残らないように丁寧に全て拭き取るようにしてください。また、ガソリンスタンドなどの洗車機を利用することがあるかもしれませんが、黄砂などがついたまま洗車機を使うと、傷がつく可能性が大きいです。できれば洗車機ではなく、手で優しく丁寧に洗ってあげましょう。
花粉や黄砂がシミになってしまった場合は?
花粉や黄砂が車についたまま放置していると、シミになってしまう場合があります。シミになると通常の洗車では落とせません。シミにはどういうケアをすればいいか、またそうならないために予防法はあるのでしょうか?
黄砂がシミになってしまった場合はどうすべき?
黄砂にはカルシウムなどを含む鉱物も含まれていますので、雨に濡れてしまうとウロコ状のシミになってしまいます。シミになってしまうと、もう通常の洗車だけでは落ちませんし、無理に力を入れてこすると塗装まで剥がれてしまうことになります。専用の除去剤もあるようですが、自分でするのが不安な場合は業者にお願いするのがよいと思います。
花粉がシミになってしまった場合はどうすべき?
花粉がシミになる原因は、車に付着した花粉が雨に濡れ、花粉内部のペクチンが溶け出すことによります。この成分は塗装面に浸食しシミを作ってしまいます。花粉によるシミを消す方法として、一番有効とされるのが熱処理です。洗車の際に、水ではなくお湯を使うと花粉シミが落ちやすいとのことです。しかし、熱湯を車にかけてしまうと、花粉シミだけでなく塗装も溶けてしまう恐れがありますので、熱湯をかけるのは避けてください。大体60度~80度くらいの温度が良いとされているようです。
また、夏になってくると自然と花粉シミはなくなっていくようですので、それほど気にならないのであれば夏になるまで待つという方法もあります。どうしても自分でシミを落とせない場合は、業者にお願いしてください。
花粉や黄砂がつくのを予防する
花粉や黄砂が大量に車についてしまうと、洗車する時に傷をつけないかとても心配になります。できるだけ洗車の手間を省きたいものですが、花粉や黄砂が車に付着するのを防ぐ方法はあるのでしょうか?
ガレージに保管、またはカバーをつける
花粉や黄砂をできるだけ付着しないようにする一つの目の方法としましては、走行時はある程度仕方がありませんが、ガレージ等の屋内に車を停めておけば花粉や黄砂が飛んでくる量も少しは軽減されます。また、ガレージがなく保管できる場所がない場合、車にカバーをつけておくのも、ある程度の花粉・黄砂の付着を軽減できます。しかし、外を走った後にすぐカバーをつけてしまうと、傷がつくことになりますので、長期間、車に乗らないとわかっているときに使うのが良いです。
こまめに洗車、コーティングやワックスを塗る
2つ目の方法としては面倒かもしれませんが、こまめに洗車するのが一番いい方法です。花粉や黄砂がついても落としてしまえば、シミになることもありません。汚れを放置しないことが一番大事ですので、春は通常より多めに洗車するようにしてみてはいかがでしょうか。また、花粉や黄砂を完全に寄せ付けないようなコーティング剤はないようですが、塗らないより塗っておくほうがいいそうです。洗車後のきれいな状態で塗るようにしましょう。
まとめ
花粉や黄砂がついた時の洗車方法について見てきました。洗車は時間も労力もかかって大変かもしれませんが、花粉や黄砂が多い日は天気予報でも知らせてくれますので、そういった汚れがつきやすい日から数日以内に洗車するのがいいかもしれません。正しい洗車方法で大切な愛車をピカピカにしてあげてくださいね。