車を購入の際にローンを組まれる方が多いかと思いますが、残クレ(残価設定型クレジット)というローンのプランがあるのはご存知でしょうか?残クレは通常のローンを組むよりも金利が低く設定されているようです。通常ローンよりも金利が低く、支払いの負担が少ない!そんなメリットばかりに思える残クレについてですが、メリットだけではありません!残クレについての詳しくメリット・デメリット、通常のローンとの違いや金利、また一括返済はできるのかなどをご紹介していきます!結論から申しますと、残クレを利用して得する人と損する人がいるのは確かなのでご自身に合うプランをしっかりと見極めましょう。
目次
車購入時の残クレとは・・・
残クレとは残価設定型クレジットと言い、新車を購入する際の方法の1つで、あらかじめ数年後の残価を設定しておき、新車車両価格より残価を引いた残りの額をローンとして組む仕組みになっています。各メーカーごとに名称や金利も多少異なっていて、トヨタなら「残価設定型プラン」、ホンダと日産は「残価設定型クレジット」、マツダは「マツダスカイプラン」、三菱の場合は「残価設定型クレジットスーパーマイカープラン」などとなっています。
残クレとクレジットを比較しよう
それでは、車の購入時に残価設定型クレジットを組んだ場合と通常のクレジットでローンを組んだ場合を比較してみましょう。車両価格が200万円の車を購入することになり、30万円を頭金として支払いました。
クレジットで支払う場合
上記の車の場合、通常ローンで支払うとなると車両価格の200万円から頭金30万円を引いた、残りの170万円をローンとして組むことになりますよね。ディーラーローンの場合は通常、ローンの支払い中は所有権がローン会社となっていますが、ローンを全て返済した後は”所有権解除の手続き”を行うことでその車はご自身のものになります。
残クレで支払う場合
では、残クレを利用した場合、新車の購入時にあらかじめ残価を60万円と設定したとします。200万円の車両価格から頭金の30万円を引き、残価60万円を除いた110万円がローンとして支払う金額となります。110万円を支払い終わったら、その車を返却するか、買い取るかを選ぶことができます。次の車に乗り換えたい場合は返却となり、残価の60万円を支払う必要はなくなります。逆に、継続してその車に乗る場合は、残価の60万円を支払うことになります。支払い方法は、一括で支払うか、また再度残価分のローンを組むかを選ぶことができます。
ここで注意したいのは再クレジットの金利です。通常は最初の残クレ契約時の金利より高く設定されていますので、これまで通りの支払い額というわけにはいかないようです。
主要メーカー4社の残クレの金利について
では、その気になる金利ですがについてですが、主要自動車メーカー4社の残価設定型クレジットの金利をまとめましたのでご紹介したいと思います。
このように各メーカーごとに設定されている金利は異なっています。また車種によっては特別金利が設けられていて、他の車種より低金利の場合があります。購入を検討している車種があれば早めに問い合わせしてみましょう!特別金利が設けられていて低金利になっている場合は、キャンペーンが終わってしまわないうちに購入したいものですね。
残クレのメリット・デメリット
残クレは金利が低めに設定されていますし、最後にその車を返却するか購入するかも選べるので、とってもお得な印象を受けますが、実際はどうなのでしょうか?残クレのメリットとデメリットを比較してみたいと思います。
残クレ利用の3大メリット!
残価設定型クレジットをオススメするメリットを3つご紹介します。残クレを利用するにあたってしっかりと理解しておきましょう!
3年~6年ほどで他の車に乗り換えられる!
残価設定型クレジットは、メーカーごとに違いはありますが、大体3年~6年の期間設定がされています。3年~6年ごとに新車に乗ることができるので、ライフスタイルの変化にも対応できますし、何より色んな車種に乗りたい車好きの人にとっては嬉しいシステムではないでしょうか?
残クレは相対的に金利が低い!
通常のディーラーローン金利の相場が4~8%なのに対し、残クレの金利はそれよりも低く設定されています。利息が少ないということは毎月の家計にも優しい値段設定ができます。毎月の支出を押さえながら車を持ちたいという人にピッタリです。
残価の保証がある!
新車は購入してから数年で価値がかなり落ちてしまいます。残クレの場合は、最初に残価の設定をしますので、その価格は保証されていて安心です。
残クレ利用のデメリットは?
では、反対に残クレのデメリットはどんなものがあるのか見ていきたいと思います。残クレを利用しようとお考えの方はデメリットをしっかりと理解し、ご自分のライフスタイルとあっているかを考慮しましょう!
走行距離に制限がある
残クレの場合、後に中古車としての価格が下がらないように走行距離の上限が設定されています。1,000km/月や1,500km/月となっていて、超過した場合は返却時に負担金が発生してしまいます。日常の買い物に使用するだけの方ならあまり気にすることはありませんが、アウトドアの方には走行距離の制限がありますのでかなりのデメリットと言えるでしょう。
支払い利息が高い可能性もある
残クレは通常のディーラーローンよりも金利が低く設定されてはいますが、金利は元金で計算されますので、月々の返済金額が少ないと元金もなかなか減らず、最終的に支払った利息が多くなる場合があります。
完済しても自分の車ではない
ローンを完済しても残価分の支払いをしなければご自身の車にはならず、それまではリースのような感覚で乗っていなければなりません。もちろん、修復歴の付く事故や法定の点検・整備を受けなかった場合や、違法な改造を行った場合なども同様に残価が引かれてしまいます。
残クレは一括返済できる?金利はどうなる?
通常のローンと同じように、残クレも早期に一括返済はできることになっているようです。ボーナスが入ったなど少しまとまったお金が入った場合は、できるだけ早く返済したほうが利息を払わなくてよくなってお得!と考えるのは普通だと思いますが、実際はどうなのでしょうか?
残クレの一括返済はどんなもの?
ローンの早期返済には、一部繰上返済と早期一括返済がありますが、一部繰上返済の場合はまとまった金額をある時点で先に払うことにより、その後のある程度の期間は毎月の支払いを少額に押さえることができます。早期一括返済の場合は、最終回支払い分を含め残りの金額を一括で清算することとなりますので、車をご自身のものにすることができます。
残クレ一括返済時の金利や手数料について
しかしローン会社は利用者が支払う利息で儲けていますので、早期に返済をするとローン会社にとっては本来受け取ることができた利息が減り利益が下がってしまいます。そのためローン会社は利用者が早期に一括返済をする場合は別途事務手数料などを設けている場合があります。
利用者が一括返済により支払わなくてよくなった利息より、支払わなくてはならなくなった事務手数料の方が高かったということも可能性としてはあるわけです。仕組みとしましては、最初ローンを組む時は金利が低く設定されていて、利用者が早期一括返済する場合にはローン会社が受け取る手数料の総額を調整するといったことがあるようです。ですので、残クレを一括返済しても支払い総額が断然!とお得になるわけでは無いのです。
まとめ
残クレは、金利が低く月々の支払いを安く押さえられるのとても良いシステムだと思います。また、3、4年で新しい車に乗り換えられるのも嬉しいことです。しかし、走行距離の制限があったり、金利が低くても最終的には支払う利息の総額が高くなってしまうこともありますので、車を購入する際は、通常のローンを組むか残クレにするか、リースにするかなど色々な方法を探ってみてください。また、早期に一括返済しても支払い金額が増えてしまうこともあるということを頭に入れながら、ローンを組んだほうが良さそうですね。