2021年5月26日
特に車にこだわりがなく、乗れればそれで良いという方の場合、車の入手方法として知人や友人から廃車予定の車を譲ってもらうという選択肢があります。廃車予定の車ですので、タダもしくは格安で譲ってくれるでしょうからコスパ面では嬉しい限りですが、その際にはいくつか注意点があります。
そこで、今回は廃車予定の車をもらう際の注意点と、手続き方法についてご紹介いたします。
目次
廃車をもらうメリット
一般的に車を購入する場合はディーラーなどでの新車購入、もしくは中古車店での購入となりますので、廃車予定の車を買うという行動は少数派に当たるでしょう。しかし、「廃車予定の車を買う」ことには新車や一般的な中古車購入には無いメリットが確かに存在しますので、まずはそのメリットについて見ていきましょう。
とにかく費用が安い
一つ目のメリットとしては、やはり何と言っても費用が安い点にあります。
冒頭でも少し触れていますが、中古車として売ろうとしている車ではなく、廃車予定の車ですのでその費用も異常に安い金額になる事がほとんどでしょう。
ネコ店長
それこそ、無料で貰える事もあり得ますからね。
なので、年式や見た目などは関係なく、車として「走る」事ができれば問題ないという方にとっては、かなりお得な買い物になるでしょう。
トラブル時に相談できる
また、知人や友人から廃車予定の車をもらう場合、何かあった時に気軽に相談できるという点もメリットになります。
具体的には、エンジンの調子が悪かったり、鍵の開閉がうまくいかない場合などは、今まで乗っていた人に聞けばコツなどを教えてもらえる事が多いです。これが、中古車買取店となると、相談したところでその車を長年運転してきた本人ではないので、コツなどの情報を得ることはできず、案内されても修理や部品交換など費用のかかる案内となるでしょう。
他にも、長年乗ってきた人から話が聞ける状態であれば、その車特有の注意点なども熟知されていますので、古い車なだけに今後も乗っていく上では重要な情報源となるでしょう。
廃車をもらう際の3つの注意点
そんな廃車をもらうという方法ですが、当然そういった状態の車ならではの注意点がございます。人によっては、上記でご紹介したメリットよりも大きなデメリットが発生する可能性もございますので、廃車をもらおうと考えている方は事前に注意点を把握しておくことをオススメいたします。
1.手続き関連のミス
廃車をもらう際の最大の注意点は、何と言っても手続き関連のミスです。
廃車をもらうということは、その車に登録されている所有者情報の変更が必要になりますので、運輸支局(昔は陸運局という名称でした)で軽自動車の場合は軽自動車検査協会にて手続きを行う必要があります。これを忘れてしまうと、車の維持費として請求される自動車税の請求などが、そのまま旧所有者に届いてしまいトラブルに発展する可能性があります。
2.平日の夕方までに時間を作る必要がある
2つ目の注意点は、上記の手続きに付随するものとなります。
それは、運輸支局もしくは軽自動車検査協会での手続きが平日の夕方までしか受付を行なっていないということです。当事者同士、もしくは代理で頼める方が近くにいない場合は、名義変更の手続きを行う事ができないのです。
通常、この問題は中古車店などで購入する場合は、すべて店舗が代行で手続きしてくれる内容ですので意識する必要はないのですが、個人間でのやり取りの場合はそうはいきません。平日昼間に名義変更の手続きの代行を頼める人がいない場合は、行政書士に手数料1万円前後を支払って手続きの代行を頼むしか方法がなく、余計な出費が発生するのです。
3.長期的な利用には向いていない
3つ目の注意点は、廃車予定の車は長期的な利用目的には向いていないという事です。
廃車予定の車となると、それなりに走行距離や年式も高い数値になっている事がほとんどです。走行距離が多ければ、それだけエンジンや足回りなどにガタがきている可能性が高く、修理やパーツ交換の費用が今後高くなっていく事が予想されます。
また、年式に関しても、日本の法律上の問題で製造から13年を超えた車は、自動車税と重量税の金額が高くなってしまうのです。なので、もらう予定の車が走行自体に問題がないとしても、維持費の面で新車や中古車に比べて高くなってしまうデメリットがあるのです。
もちろん「1年のみ」など、短期的な利用のためだけであれば、それでも十分にメリットになり得ますが、それ以上に今後もずっと乗っていく予定であれば廃車予定車よりも、新車や状態の良い中古車を購入された方がトータルで見るとコスパが良いこともあるのです。
車をもらう手続き方法
それでは、実際に車をもらうにはどのような手続きが必要になるかという部分に移りましょう。なお、この手続きはもらえる車が中古車でも廃車寸前の車でも、その内容には違いはございませんので、その点はご安心ください。
名義変更
前述でもご紹介の通り、車をもらい受ける場合は、その車の所有者の名義を自分の名義に変更するための「名義変更」の手続きが必要になります。この名義変更には、旧所有者と新所有者ともに以下の書類を準備する必要があります。
旧所有者 新所有者
印鑑登録証明書
譲渡証明書
車検証
印鑑登録証明書
車庫証明
なお、運輸支局での手続きに旧所有者が同行しない場合は、上記に加えて実印で押印された委任状の準備が必要にあります。
軽自動車の場合は、印鑑登録証明書は不要。
あとは運輸支局にて、以下の書類を取得・必要事項を記入して、上記と併せて提出すれば名義変更が完了となります。
運輸支局で取得する書類
移転登録申請書
手数料納付書
自動車税・自動車所得税申告書
保険の申し込み
運輸支局(軽自動車検査協会)での名義変更の手続き自体は上記の内容で完了ですが、車にはもう一つ重要な契約が必要です。それが自賠責保険の加入申し込みです。
日本では、運転を行う車には強制的に自賠責の加入が必要で、加入しないと法律違反に該当してしまうのです。お店で購入の場合は、スタッフが加入を促してくれますが、個人間でのやり取りでは忘れてしまう可能性もございますので、この点は忘れずに申し込みするようにしましょう。
まとめ
以上が、廃車予定の車をもらう際に知っておくべき情報となります。
期間限定で車が必要という方には、廃車予定の車をもらう方法はかなりコスパの良い方法となりますので、用途的に問題ない方は参考にしていただければと思います。
ネコ店長
もちろん、不動車ではなく自走可能な車が条件となります。