車検とは、正式には自動車検査登録制度といい、一定期間ごとに車が公道を走るために、道路運送車両法に定められた保安基準に適合しているかを確認する検査のことをいいます。
車検は、業者に依頼するのが一般的となっておりますが、ユーザー車検といって個人で車検を行う事もできるのです。業者に依頼する車検とユーザー車検の両方のメリット・デメリットや費用とその車検を受ける際の流れついてご紹介していきます。
業者へ依頼する車検
最も一般的なのは業者に依頼して車検を受ける方法です。多くの方が車検は業者に依頼しているのではないでしょうか?
車検依頼を受けている業者は数多くありますがそれぞれの業者へ車検の依頼をする際に必要なものや費用等についてご説明していきます。
車検を行ってくれる業者とは
車検を行ってくれる業者には、ディーラーや、国から認可を受けた整備工場、ガソリンスタンド、カー用品店などがあります。
車検は高いというイメージがありますが、ガソリンスタンドやカー用品店などで車検を受けると、点検費用をかなり安く抑えることができるようです。
車検前に準備にしておくべきもの4つ
ディーラーや整備工場などで車検を受ける場合に必要な書類や費用について見ていきたいと思います。まずは車検を依頼する上で必要となるものをご紹介します。事前に準備し車検の予約を取りましょう。
車検を業者に依頼する際に必要なもの
- 車検証
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 自動車納税証明書
(納税証明書はオンラインで確認ができますので、継続車検で、納税から数週間経過後であり、滞納がないなど条件が合えば提出を省略できます) - 認印
一般的な車検費用
それでは車検費用は大体どれくらいかかるのでしょうか?車検費用には、法定費用と呼ばれる自動車重量税、自賠責保険料、印紙代の他に、点検費用や事務手数料、部品交換代などの基本料金がかかってきます
法定費用 (自賠責保険料は24ヶ月契約です) |
コンパクトカーの場合(1,500cc以下) |
自動車重量税 | 24,600円 |
自賠責保険料 | 21,550円 |
印紙代 | 1,700円 |
合計 | 47,850円 |
法定費用は、車体の重量などで金額が決まるので、どこで車検を受けても同じ金額となります。1,500cc以下のコンパクトカーなら、約50,000円ほどになります。
次に基本料金ですが、こちらは業者ごとに金額が異なります。相場を表にまとめてみました。
依頼 | 車検の基本料金 |
ディーラー | 40,000~100,000円ほど |
整備工場 | 30,000~80,000円ほど |
ガソリンスタンドなど | 20,000~60,000円ほど |
ディーラーや整備工場は専門性や技術力も高いため、金額も高めになっています。ガソリンスタンドなどは必要最低限の検査になるので金額も低めになっているようです。
業者にお願いするメリット・デメリット
次に、業者にお願いするメリット・デメリットについて見ていきたいと思います。
まずメリットですが、特にディーラーや整備工場などは専門知識も技術力も高いことから、費用は高くなりがちですが、整備内容が充実していて安心感が一番だと言えるでしょう。また、ガソリンスタンドやカー用品店などは、費用をもう少し抑えたい場合はお得に車検を受けられると思います。
反対にデメリットですが、やはり費用が高くなってしまうということです。
比較的安いガソリンスタンドなどでも、上記の表でもわかるように、最低でも法定費用+基本料金で70,000円近くかかってしまいます。この後紹介するユーザー車検に比べると費用が高くなってしまうことがデメリットと言えるでしょう。
ユーザー車検
業者にお願いする車検以外にも自分で車検を行う事ができるユーザー車検があります。
ユーザー車検はまだあまりよく知られていないようですが、車のオーナー自らが運輸支局に車を持ち込み自分で検査する車検のことを言います。
ユーザー車検に必要なものや費用は?
ユーザー車検に必要な書類と費用について簡単にご説明します。
ユーザー車検に必要なもの
- 車検証
- 自賠責保険証
- 自動車納税証明書
- 整備点検記録簿(車検前に24ヶ月点検を行った場合)
- 継続審査申請書
- 自動車検査票
整備点検記録簿、継続審査申請書、自動車重量税納付書、自動車検査票は運輸支局にて購入します。
ユーザー車検の費用
ユーザー車検では車のオーナーが自ら点検を行いますので、業者に支払うような基本料金は不要です。
ですが、法定費用は、ユーザー車検の場合でも業者の車検と同じように支払う必要があります。法定費用は上記でご紹介しております費用を参考にしてみて下さいね!
ユーザー車検の流れ
では実際に運輸支局に向かい実際にユーザー車検を受ける際の流れを順番にご紹介していきます。
当日のユーザー車検の流れ
- 運輸支局に到着したら、必要書類や収入印紙を購入します。
(全部で8項目の検査を行います) - 同一性の確認:車検証や申請書類の記載内容と車両が同一であるか
- 外観検査:車の外観(車体・ライトなど)に問題がないか
- サイドスリップ検査:前輪の横滑り量の確認
- ブレーキ検査:ブレーキ制動力の確認
- スピードメーター検査:速度表示機器と実際の速度の誤差を確認
- ヘッドライト検査:ヘッドライトの光量と光軸の確認
- 排気ガス検査:一酸化炭素と炭化水素の濃度測定
- 車両下部検査:オイル漏れやかじ取り装置の確認
検査が無事終われば、新しい車検証などを受け取ることができます。
初めての方は不安に思われるかもしれませんが、検査には自動車検査員がついてくれていますので安心です。また、所要時間ですが、車に特に不具合がなければ2~3時間ほどで終われるようです。
ユーザー車検のメリット・デメリット
意外に簡単そうなユーザー車検ですが、メリットとデメリットはどういったものがあるのでしょうか?ユーザー車検のメリットはやはり料金が安いということです。また不具合がなければ修理や整備も必要ありませんので、2~3時間ほどで完了し、その日のうちに終われるというのが良い点です。
反対に、デメリットですが、ユーザー車検はオーナーご自身で行いますので、車に不具合が見つかれば、整備も自分でしなくてはなりません。車に詳しい人なら問題ありませんが、慣れていない人が車の整備を行うのは大変なことです。
また、ユーザー車検は検査当日の車の状態を見るだけですので、翌日などに突然不具合が生じて動かなくなる可能性もあるというリスクも伴います。
自分に合ってる車検は?
業者にお願いする車検とユーザー車検の両方について見てきましたが、どの車検が自分に合っているかを判断するポイントを挙げてみたいと思います。
何よりも車検を通して安心感が欲しいなら
車検で車の状態をきっちり見てもらい安全に乗りたい方は、やはりディーラーに車検をお願いするのが一番だと思います。
その車を熟知した高い技術を持った人に見てもらえますし、車検をする側もプライドを持って点検・整備をされていることでしょうから、やはり安心感が違いますよね。
ディーラー車検は費用が高くなってしまいがちですが、メーカー保証もあり保証対象になっている部品等は無料または格安で純正部品を交換してもらえますし、なにより安心して車に乗りたい人にとってはディーラー車検が一番だと思います。
とにかく車検費用は安いほうがいい
とにかく車検の費用を抑えたい場合は、ディーラーや整備工場よりは質が落ちてしまうのかもしれませんが、ガソリンスタンドやカー用品店などにお願いするのが車検費用を安くできる方法だと言えます。
また、それよりも更に車検費用の出費を抑えたいという方は、ユーザー車検を選ばれるのが良いかと思われます。車の整備に詳しい方や、整備・点検などに興味があってやってみたいと思われる方もユーザー車検が合っていると思います。

合わせて読んでもらいたい記事
車検を選ぶポイントは安心と費用の2つになってくると思います。
安心が大きくても費用があまりにも高いと感じるなら、もったいない選択になってしまうかもしれませんし、出費を最小限に抑えても、突然故障しないかと不安を抱えながら車に乗らなくてはいけないのなら、そちらも良い選択とは言えません。
安心と費用の2つをバランス良く考えて、自分に合った車検はどれなのか選択してみるのが一番かと思います。